縫製日和

パラフィン加工10号帆布リュック（バックパック・デイパック）縫製

公開日：2023年11月4日
カテゴリ：リュック・バックパック,サンプル制作

当店では基本的にバッグ・袋物のご相談や量産のご依頼が多く、また自社製品もバッグやカバーなど比較的小さな縫製品を多く縫製しています。

先日、お客様よりリュック・バックパックの縫製のご相談を承りました。
基本的に縫製の方法はバッグと同じですが、ボディのサイドから出し入れできるファスナーであったり、上部の口の形状等少々手の込んだ形状です。

形状などからお断りすることも考えましたが、支給いただいたパターンが完成していることと、縫製スタッフが縫製してみたいと興味があるようでしたので、サンプル制作を行っています。

裁断の様子

支給いただいたパターンを原寸で印刷し型紙として使用します。
生地の向きの指定もありますので、指示通りに配置していきます。

サンプルの段階ですので、それほどシビアではありませんが、量産時は要尺（使用する生地量）に影響しますので、無駄の無いように裁断していきます。

10号帆布（パラフィン加工）

今回はお客様より支給いただいたパラフィン加工の10号帆布にてボディ部を制作します。
パラフィン加工は蠟引きとも呼ばれ、生地にパラフィンを染み込ませ防水性を高めた生地です。
後加工も可能ですが、すでにパラフィン加工済の帆布も販売されています。

昔からアウトドア用品の素材としても人気の加工です。
ただ、チョークとばれる引っかいたり、折れたりした個所に白い跡（筋）が残る特徴があります。
縫製の段階でもできるだけ配慮しますが、ある程度は生地の特徴として許容いただく必要があります。

皮革部材

今回のサンプル品は、一部皮革を使用するデザインです。
皮革は耐久性に優れ、高級感もあり優れた素材ですが、天然の素材のため固さにムラがあったり、大きさに制限があったりと、中々難しい素材でもあります。
当店では、部分的に使用する皮革であれば、ある程度対応いたします、皮革が主となるバッグは承っておりません。

サンプル制作について

リュックやバックパック等の手の込んだバッグ類などは、お見積りの前にサンプル制作（別途有料）をお願いしております。
これは以下の2つの理由があります。

1.量産時の正確なお見積りの算出のため
2.お客様側での品質のチェックのため

です。

非常に単純な形状のものや、過去に当店で制作した商品以外は、どの程度工数が必要か推し量れない部分もあるため、お見積り金額が算出できません。
また、品質についても当店が提供できる品質と、お客様が求める品質の齟齬を防ぐため、サンプルの段階で確認いただきます。
当店では、縫製を自社で行っておりますので、サンプル制作時のの品質と量産時の品質が大きく異なることはありません。