生地のアップサイクルでポットカバーを縫製
公開日:2025年4月20日
カテゴリ:ポットカバー
静岡県内の企業様からのご依頼で、不要となった生地を再利用し、再商品化(アップサイクル)にてポットカバーの縫製を承っています。
円筒状のシンプルな縫製品のため、縫製自体は難しい商品ではありませんが、生地が既に加工されているため、自動裁断が行えず、かつ、当初はプレス裁断も数社お取引先様にご相談しましたが、お断りされてしまう状態でした。
特に底部の円形は、手で裁断するには手間(コスト)がかかり、仕上がりも安定しないため、円形だけでもプレス裁断の依頼先を探していたところ、県内でご縁をいただいた業者様にてお願いすることができました。
今回のポットカバーは、生地色は複数ありますが、縫製に使用する糸は別商品とのデザイン上のバランスで、黒色の糸で統一しています。
糸色は生地色に同色であれば、それほどミシン目が目立たないのですが、今回のような目立つ色の場合は縫製にも非常に気を使います。
また、共生地で取っ手部分も仕上げています。
アップサイクルの生地の課題は、通常の反物の状態ではないため、裁断に非常に手間がかかってしまう点です。
生地の再利用による商品化は、環境への負荷低減から今後さらに推進されていく商品化の手段と感じますが、裁断を含む製品化のコストは通常より増加するため、実際の消費者にどれだけ価値を提案し、理解を深めていただく必要が生じるかもしれません。

中川拓郎(なかがわたくろう)
静岡日和株式会社
店主&小間使い
プロフィール
静岡市在住、1975年生まれ。
静岡市で3名の縫製を担当していただいているスタッフさんと共に、帆布を主とした縫製品の企画・製造・販売を生業としています。
Web業界出身と異色のため、ITには少しだけ明るいです。
縫製過疎地の静岡市で日々「糸」と「布」と格闘しています。全くキラキラしていません。