10号帆布シェラカップケースの量産
公開日:2024年8月19日
カテゴリ:オリジナルケース,量産
アウトドア、キャンプで使用するシェラカップを納める帆布製のケースの縫製が進んでいます。
話が脱線しますが、シェラカップは1892年発祥のアメリカの自然保護団体 シエラクラブ(Sierra Club)により制作されたアウトドア用の炊事具・食器です。
素材は10号帆布にパラフィン加工を施した生地、YKKの#4ビスロンファスナー、底面は玉縁で仕上げ、内側の生地の合わせ目は生地色に合わせたテープでほつれ止めのパイピングを行い仕上げています。
玉縁は、バッグの縁などに用いられる加工で、スポーツバッグや皮革を主に用いたバッグなどにもよく使われています。
パイピング芯と呼ばれる芯材をテープで挟んで縫製したものを、生地と生地の合わせ目に挟んで使用します。
特に円形状には比較的きれいな円形が実現(縫製品の為、限界はありますが)できるため、今回のような形状の商品には適しています。
シェラカップケースは、円柱状の縫製品で天面と底面のサイズが異なる形状が特徴です。
同じデザインでカラー展開がある商品ですので、生地色によってファスナーやテープなどの副資材も色を合わせて縫製しています。
天面、底面の円形は数量によってプレス裁断を行います。
プレス裁断は初回に金型費(今回はスウェーデン刃)が別途必要ですが、手作業では裁断が難しい円形では必須といえます。
円形の縫製は直径が小さいほどきれいな円形に仕上がりにくいため、縫製は難しくなります。
中川拓郎(なかがわたくろう)
静岡日和株式会社
店主&小間使い
プロフィール
静岡市在住、1975年生まれ。高齢化が進む縫製業界では比較的若いと言っていただきます。
静岡市で3名の縫製スタッフと共に、帆布を主とした縫製品の企画・製造・販売をナリワイとしています。
Web業界出身と異色のため、ITには少しだけ明るいです。
縫製過疎地の静岡市で日々「糸」と「布」と格闘しています。全くキラキラしていません。